近頃、金融機関が顧客から徴収する手数料の問題が俎上に載ることが多くなっている。例えば、金融機関の低収益対策と効率化を目指した手数料の新設や値上げである。一方で、キャッシュレス化・デジタル化が進む中で、レガシーな決済システムの利用料の高止まりという問題もある。海外でも、低金利対策として手数料を引き上げる一方で、デジタルバンク対策や新型コロナ対策から、非接触取引拡大の目的もあって、手数料の無料化や引下げが続いている。
今回は、我が国のキャッシュレス取引の推進、金融デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みにおける手数料設定の在り方を考えてみたい。