2018年の金融IT業界はキャッシュレス決済が旋風を巻き起こした。それを受けて19年は「データの利活用」が大きなテーマになりそうだ。なかでも個人データの利活用では政府が提唱する“情報銀行”がIT業界の関係者からは注目を集めている。一方の金融界では、三菱UFJ信託銀行や三井住友銀行などメガバンクグループが情報銀行に前向きな姿勢を見せているものの、地域金融機関の大半は「様子を見ている」状態で影響を計りかねている。しかし金融庁は今国会に銀行・証券・保険会社が本体業務として情報の第三者提供を可能にする法案を提出し、金融機関の参入を後押しする構えだ。そこで本特集では、「情報銀行ってなんだ?」との疑問から、その狙いと仕組み、実証実験の内容と成果を紹介する。併せて60近くの金融機関の関係者から回答を頂いた読者アンケートを分析。データの利活用ビジネスの今後を占う。(金融IT情報誌「FIT 72号」2019年3月15日発行より)