【はじめに】
近年、自動運転車や囲碁の対局、人型ロボット等が話題になっていることもあり、人工知能(以下「AI*1」という)への関心が高まっている。
AI は、今後さまざまな分野で活用され、仕事や商品・サービスに大きな変化をもたらすとの見方がある。また、構造的な労働人口不足に伴う潜在成長力の低下等に対しても、産業構造等の変革を通じて、AIが新たな角度から解決に導く可能性があることが、各方面から指摘されている。こうしたなか、一部の金融機関では、実際にAIを活用し始めている(図表1)。本稿では当センターで行った取材を元に、金融機関においてAI の活用が進む背景や活用時の留意点を整理する。
(金融IT情報誌「FIT 62号」2016年8月5日発行より)